アルバム発売を控え、私が何をしたか。


本日、6/30。
私は、爆弾の落ちた音で目が覚めた。
「うぉ〜」と叫びながら起き、まずは放射能をさえぎるために、
開けっ放しだった寝室の窓を閉めた。
家中のカーテンをしめなくちゃと、窓にかけよると…。
外は雨。
爆撃の音だと思ったのは雷の音だったのでした。
今日はオチャメカンの発売日。
上等な幕開けじゃないの。
午後になるにしたがって雨はやみ、
気持ちの良い青空が広がってゆきました。
というわけで、本日の作文、どうぞ。
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私の髪は人生至上一番長い。
こんなに長くしたことは今までなかった。
ロングが主流だった大学の頃、コンパで
「佐々木さん、髪長くしたらきっと似合うよー。
 なんで長くしないの?」
と男性にいわれて、上機嫌でのばしかけたことがあった。
田舎から出たてだった大学生の私は、
標準語でほめられると、すぐその気になる女だった。
同じく大学の頃、コンパで
「佐々木さん、指が長いから指輪したらきっと似合うよー。」
といわれれば、1次会が終わったその足で指輪を買いにいき、
2次会では指輪をしている、という奴だったのです。
「髪のばしたら?コンパ」の後、がんばって2ヶ月のばした。
整えてもらおうと思って馴染みの美容室へいったら、
馴染みの客なのに対応がおかしい。
いつもはもっとフレンドリーなのに。
すると、美容師さんが「はっ」と気付いたように
「佐々木さんだったの?長くてわかんなかった。
 どこかのおばさんかと思った。」
といわれて、大ショックをうけて、それ以来のばしたことはない。
それなのに今、なぜこんなに長くのばしたかというと、
美容室へいく頻度が少なくてすむから。
忙しいということもあったし、節約したいというのもあったし。
いろいろな要素が重なって、こんなにのびてしまった。
毎朝、歯磨きをしながら洗面所の鏡にうつるロンゲの女を見て、
私の胸に何が去来していたかというと、
「女囚…」
女囚、という言葉なのだった。
女囚もの、つまり、女刑務所ものの映画。
美形で影のあるアウトローな主人公が刑務所にはいってくると、
今までいた古株の女囚達が決まって騒ぎだす。
「かわいいからって、調子に乗るんじゃないよ。」
「あたいらのボスに挨拶しな。」
と、女ならではの陰湿ないじめがはじまるわけだけど、
大体、主人公はいじめに打ち勝って、
古いボスをギャフンと言わせて自分がボスの座にのぼりつめる。
で、髪をのばした私は、主人公をいじめる
大勢の悪役女囚のうちの1人にぴったりなのだ。
「こんちくしょー。覚えてやがれ」
という台詞が1コぐらいありそうな。
細目にのっぺりした顔、ぼさぼさにうねった長い髪。
女囚の脇役にぴったりだ。
キングオブ脇役。
脇役だけど、キングだからいいか。
とかなんとかぶつぶついいながら歯磨きを終える。
しかしだ。それにしてもだよ。
自分の3rdアルバムが発売されるっいうのに、キングオブ脇役?
せめてここ2ヶ月だけでも主役にみえなきゃだめなんじゃないの?
と思いました!
(皆さん、泣いて!ここ、泣くところよ。)
すぐに美容室に予約をいれた。
「きってください。ばっさり」
「えー、いいの?せっかくのばしたのにー。」
「いいんです。このままじゃ女囚さそりの脇役なんです。」
「え?なに?じょしゅう?じょしゅうってなに?」
「女刑務所ものの脇役なんです。私。」
「?」
「この夏は主役になりたいんです。」
「主役になりたいんです」
なーんっつって髪を切る女なんてなかなかいませんよ。
「女優物語」って感じでしょうか。
おしゃれ雑誌の特集記事でしょうか。「この夏はあなたが主役!」
普通に使っちゃいました。
でも、5年以上つき合いのある馴染みの美容師さんなので、
私の変なオーダーのしかたには慣れている。
というわけで、あっという間に無難なショートヘアになった。
しかし、髪を切って主役になったかといえば
それはそれで疑問で、どうも主役のオーラとは気のもちようなのか、
相変わらず細い目と丸まった背中が芬々たる脇役臭を
放って止まないのであり…。
そんな私。
見事な脇役ぶりを「オチャメカン」で発揮しております。
6/30発売のDVD付3rdアルバム、是非御覧下さい。