悪質商法


実家に、私がなんとかのお金を滞納しているので、
至急連絡をよこせ、というハガキがきた。
でもそのハガキが着いた時には既に連絡期限が過ぎていて
期限が過ぎてしまうとどうなるかっていうと
「訴えるぞ!」という感じのハガキだ、というので
いそいでこっちに送ってもらった。
思ったとおり、不正請求のハガキで、
インターネットにも同じ文面が掲載されていて、
注意するようにと書いてあった。
実家に送るなよ、って感じ。
本人に送れよ、って感じ。
うちの母のことだから、ぼんやりしてたら
うのみにして、連絡しかねないではないか。
…ていうか、それが目的か。
そーか、そーか。
悪いやつらめ。
ぺっぺっ。
実は、12月にいつもお世話になっている方から
固い仕事を手伝って欲しいといわれて、
教育映画の音楽や効果音を作ったんです。
それがまさしく旬の
「油断大敵、悪質商法に気をつけろ!」
という内容で、不正請求とかマルチ商法の怖さを
高校生に教えるための内容でした。
これ、脚本がけっこうおもしろいんですが、
一番の目的は教育。
だから、私が今までやってきた仕事とは、
正反対の部分が取捨選択されてゆくんです。
それがとても新鮮でした。
例えば、にやっと笑う男性の映像をいれて、
「え?この笑いなんだろうな。何かの伏線?」
と、想像力をかき立てるような
意味深カットがあったとします。
今まではこういうのが奨励される世界で、
モノ作りをしてきた私なので
私は「いいですねーここ」なんて思ってたわけです。
ところが。
教育目的の場合、意味不明で混乱を招くので
このシーンはカットの対象になってしまうんです。
それと、少し退屈なシーンとメリハリをつけようと、
私がちょっとしたおせっかいで、
人間の動作にあり得ない感じの効果音をつけて
コミカルにしたりすると、それも、
効果音に気をとられて大切な説明を
聞き逃す恐れがあるとのことで、カット。
ん?
なんだろうか。
私が今までやってきた仕事とは全然違うぞ。
今まで喜ばれてきたことが喜ばれない。
色気を出すと喜ばれない。
逆にやりすぎないほうが喜ばれる。
そうか、こういう世界もあるのか!
と、この仕事は本当に勉強になりました。
作ってる人たちは、○○省の
お役所の人たちもかかわっていたのですが、
悪質商法にまきこまれる高校生が
ひとりでも救われるように、という
心からの気持ちで作っているんです。
本当にコーヒータイムなどリラックスしている時でも
悪質商法について真面目な会話をしているんです。
私みたいに「悪いやつらめ、ぺっぺっ」
で終わってないところがすごい。
おとなだなぁ。
つーわけで、皆さんも気をつけようねー。
妹ハイジみたいに、2万円のミシンを
30万で買わされたりしないようにねー。
ちなみに、この映画はファンキーキング
中村ゆうじさんも出演しています。
1月から全国各地の高校に配付されるそうです。
見かけたらよろしくです。