サマーバーゲン

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(5秒間見つめてね。拡大写真は文末。)


甘いものは別腹というけれど、
もっとも別腹という言葉がふさわしいのはバーゲンでしょう。
いくらお金がなくたって、たまたま物欲がない時期だって、
大金持ちでない限り、そして、衣食住が必要な人間である限り、
バーゲンには年に一度はいくべきですっ。
長い目で見れば、バーゲンでモノを買っておくことは
とてもいいことだと思うのですっ。
だって安いんだもの。
50%OFFだもの。
今月は何も欲しくないんだよー。
今月はお金がないんだよー。
という人もいるだろう。
だがしかしよ?
今戦わずしていつ戦う?
物欲をふるいたたせよう!
売られたけんかは買おう!
山があったら登ろう!
そこにバーゲンがあるからさ!
だって安いんだもの。
まだ夏はこれからなのに、夏ものが半額だもの。
朝、早起きが大嫌いな私が2時間も早起きして、
通勤ラッシュの中、聖地へと出発した。
途中通った地元の駅ビル前には既に長い行列が。
まだ開店1時間前というのに、地方の駅ビルごときでこの行列!
深い!深いよバーゲン。
自然とこっちの足も早くなる。
急いだおかげで、開店の10時ジャストにつけそう。
みんなもう並んでるだろう。
お目当てのお店に小走りする。
今日は、お店はお店でも本店を狙って、
わざわざ1時間以上かけてやってきたのだ!
あ、あれ?行列ない?
フライングオープン?
かけよると、お店は真っ暗。
ガラスに近づいてのぞいても、店員さんの気配なし。
昨日、お店のサイトで日時は確認してきたはずなのに‥。
不安になる。相方にメール。
私:店閉まってる
私:バーゲンどこ?
私:ガツガツしてると思われると恥ずかしいから
  駅までもどってきちったよ。
私:ホームペーでバーゲンひにち調べてくれない?
数分後、仕事中の相方から電話がくる。(そういえば世間は平日であった。)
お店のサイトを調べてもらったところ、
どうやら私は支店の日時を本店のと間違えていたらしい。
カフェーでやさぐれながら開店の11時半を待った。
こんなことならまだ寝てれば良かった…。
15分前にいってみると、お店は開いていて、
先陣のハイエナ達は既にひきあげたかのような荒れ野&静けさ。
一体何時に開店したんだろう?
やられたわ。
もしかしてフェイントかけられた?
まだまだ私もひよっこだわね。と苦笑する。
でもこの小さな荒れ野から掘り出しものをゲットできれば、
今までの失敗は全部帳消しになる。
さぁ、巻き返しよ!
気をとりなおして、狩りにかかる。
サイズは合わないけど、色が好きだから買っちゃえーとか
ないよりはあったほうがいいだろう的なものとか
ひとつしか残ってないからゲット、とか
そんなものがそろいもそろって1万円分。
たったこれだけ選ぶのに1時間もかかっていた私を、
時々心配そうに見守っていた店員さんがいたので、帰り際に
「ちゃんと決めました。ちゃんと買えました。ひとりでできました。」
という合図のため、袋をちょっとあげて見せると
「あぁ、それは良かった!」という笑顔で見送ってくれた。
じーんときたヨ。
敵と味方の心が通じ合うアイコンタクト。
いいでしょ?バーゲンっていいでしょ?
私、けっこういい戦いしたと思う。
参加することに意義がある戦いならこれで十分だった。
でも、残念ながらバーゲンは戦利品命だ。
勝つか負けるかは、試着で決まる。
帰宅後、試着にとりかかる。
まぁ。まぁまぁまぁそんなものだろう
という戦利品が続き、今回ワタクシ一押しのタンクトップ。
普段はLサイズの私がXSに挑戦だー!(サイズがなかった)
心の中のドラをたたきながら腕を通す。
狭い。狭いぞー。
やはりXSの胴回りは犬猫用か?というぐらい狭い。
まるで、豚の腸の薄膜に肉を無理やりつめているような感覚だ。
アイアムソーセージ。
負けないぞ、ソーセージ!
と、そのとき、ビビーッ、と豚の腸、いや、布が裂ける音が!
鏡の前には敗北顔の惨めなLサイズの女が映っていました。
あぁ、バーゲン!
べたなオチですが、現実の話です。
(信号待ちの雨宿り)