いのちください


いのちがいっぱい箱詰めに…


青森銘菓で、おいしくて喜ばれるおみやげがある。
それは「いのち」だ。


仙台の銘菓「萩の月」にそっくりだ、と言われているが、
「いのち」はカスタードの中にアップルジャムがはいっている。
りんごの名産地青森ならではアップルジャム。
まさに、いのちの命だ。
なぜ「いのち」という物騒な名前なのかというと、
大昔に放送されていたNHKの大河ドラマ「いのち」にちなんでいる。
「いのち」は青森を舞台にした戦後の医者もので、
脚本はかの有名な橋田壽賀子。
NHK大河の歴史に残る大ヒットドラマだった。
実はこの夏、私は3回帰省した。
さすがに3回もおみやげを探すとなると、ネタが尽きてくる。
というわけで、今回は定番「いのち」を買うと決めていた。
「いのち」を買うと、いろいろ楽しめる。
「いのち売ってた?」
「いのち買ってきたよ。」
これだけでドキドキする。
命って買えるんだ!便利だなー!
「あたしにも、いのちちょうだい。」
いやードキドキするね。
もうひとつもらったら2個になっちゃうもんね。
相方もおみやげに「いのち」を買っていたので、
会社へ持っていく日はわざわざこれを言う。
「いのち忘れないでね!」
おードキドキするー。
命忘れて会社に行くなんて、アブねー。
わざと落として「あ、いのち、落としちゃったオ!」
それを拾って「いのち、拾っちゃった。」
命活用アレコレ…。

いのちを半分にわけた図


3度目の帰省みやげを「いのち」にした理由はもうひとつあった。
休み明けすぐに、NHKの人と会う予定があったのだ。
NHK大河が発端の「いのち」で、
たっぷり楽しませてもらっている青森県人から感謝を込めて、
ぜひともNHKの人に「いのち」を差し上げたい。
命を差し上げる覚悟でやっていますので、
これ以上リテイクはナシでお願いします!の意味も込めて、ね。
(アレ?なんか発想がおやじ?!)
NHKの人はドラマ「いのち」を覚えていて
「あぁ、三田佳子さんが主演の?」
とうれしいリアクションをしてくれた。
そして最後に、みんなから
「ササキさん、いのちありがとう。」
と言ってもらえると、またドキドキできる。
キャー、他人に命を気安くあげちゃったよ。
ドキドキドキドキ…。
最近「いのち」がいのちを失いつつある。
なぜなら、青森とは何の関係もない
「夏みかんジャム入り」が出ていたのだ。
アップルジャムでいいだろう?
唯一のアイデンティティはどうした?
んなもん、買わないぞ!