王様の銀の鈴

osama_pic1.jpg
iTunesStoreで3部作中の2作目が
本日からダウンロードできるようになりました。
東京ハイジマニア(!?)な方ならご存知かもしれませんが、
まだMacがLCシリーズだった頃に作った作品を
音も映像も全部作り直したものです。
この作品は、特別、気合いがはいっています。
だってこれ、東京ハイジの原点なんです。
この作品の出来が良かったことに気を良くして
姉妹で何かやろうか、ってことになったんだから。
なんかいくつか賞までもらっちゃって、
それで2人ともすっかりその気になっちゃって
「東京ハイジ」本格的にはじまっちゃった。
…というのが東京ハイジ誕生秘話です。


その後もたくさんの企業がこの「王様」を
商品にしようと動いてくれたのですが、
未だに実現していません。
王様の世界を、広げては寝かし広げては…
を今まで何度繰り返したことか!
本当に涙無しでは「王様」は語れないんです。
王様の世界をふくらませて、
ショートムービーを作ったことがあって、
ユーリー・ノルシュテイン大賞に
ノミネートされたこともあります。
それでもノミネート止まり。
アニメフェアに出るたびに、
各社が興味をもつのがやはりこの王様。
すごい人気なんです。
ある企業など、優先して「王様」を使うために
数ヶ月間、お金を払ってくれた所もありました。
それでも企画書止まり!!
いつも一番の出世キャラではないかと思わせて、
一番失望させられる元凶がこの「王様」なのです。
osama_pic2.jpg
原点である「王様」に、未だ悩まされる東京ハイジ。
これをふっきるためにも、
今回の作品化はとても意味のあることでした。
曲だけに関して言うと、
これは前作「おいで地の底」とほぼ同じ時期、
つまり大学の時に作った曲です。
当時はサークルの先輩達にベースを弾いてもらったり、
ドラムのプログラミングをしてもらったり、
アレンジのアドバイスをもらったり、
いろいろと学びつつ作っていました。
それを今回大幅にアレンジを変え、
ボーカルも前回の「おいで地の底」に引き続き、
澤田真理さんで、録りなおしました。
私も個人的にこの曲の世界をとても気に入っているので、
曲を元に「王様の墓」というオブジェを作ったこともあります。
これを、なんと!ずうずうしいことに、
渋谷PARCOのオブジェ展に出して、見事落選!
このへんてこなゴミみたいなものが、落選後、
「美術品梱包」という最上級の梱包で返品されてきた時、
私がどんなに恥ずかしかったか!
しかし懲りずに97年のデザインフェスタに展示したのでした。
下の気持ちの悪い肌色の木が、その時の写真です。
土の中にカセットが埋まっていて、
イヤホンから「王様の銀の鈴」が聞ける音つきオブジェなんです。
本体は、粘土と発泡スチロールで出来ていて、
そこに小さな赤ん坊たちが無数にはりついています。

その後、捨てられない
粗大ゴミとして
我が家で疎まれていた
伝説の「王様の墓」
クリックで拡大(グロ注意)


まずは、iTunesStoreにて曲をダウンロードしてみてください。
そしてその後で、下のオブジェの説明文を読んでみてください。
私も久々に読んでびっくりしたのですが、
これはなんと!「王様の銀の鈴」で歌われた世界の、
その後の世界に育った木だというのです。
プレビューだけでもどうぞ!
王様の銀の鈴はコレClick!→東京ハイジ
〜王様の墓〜
死んだ王様の墓からは、植物のようなものが雄々しく伸びてきたのです。
王様が生きていた頃、男にも女にもならないまま消えていった小さな
生命のもとが、その不思議な木にたわわに実り、
それでも飽き足らないのか、王様の遺体からあふれ出し、
土の中からもはいだしてきました。
自分の国を滅ぼしてしまった王の墓は、王家の墓の片隅にひっそりと
恥じているかのように存在していたのですが、
しばらくして、墓の下から、生前の王様を歌った、
か細い歌声が聞こえてくるようになりました…