「添付書類」
職場の先輩(男)2人と一緒に観光旅行をしている私。
途中男たちは、修学旅行中の万引き中学生を、
補導員のふりをしていじめるという遊びをしはじめた。
私は「男っていつまでたっても子供ね」という月並みな台詞を吐き、
1時間後にあう約束をして別行動をとることにした。
私はコスプレ写真館の前を通りかかった。
旅行の記念になると思い、撮影してもらうことにした。
カタログから、着てみたい衣装を選ぶことになっていたが、
マニア向けの知らないアニメキャラのコスプレ写真ばかり。
お店のセレクトに失敗したかも、と思った。
しいていえばこれかな、と。
「ミンキーモモ」というキャラのコスプレを所望してみた。
なんか全体的に「青」って感じのキャラだった。
(実際にミンキーモモというのは存在するらしいけど
検索してみたら全体的にピンクって感じだった)
店の人が「お時間どれぐらいよろしいですか?」と聞くので
30分でお願いします、と伝えた。
その時は良心的な店だな、って思った。
しかし受付の兄さん、このキャラに相当思い入れがあるらしく、話がくどい。
完全になりきるには、キャラの性格設定を
完全に知ってなりきらなければここにきた意味がない、とか。
約束の時間が近づき、あせる私。
そんな不熱心な私が「ミンキーモモ」になるには
ふさわしくないと思ったのか「他の可能性をさぐってみない?」と
あなたに似合うコスプレ診断、というのをはじめやがった。
もう連れ達との約束の時間が近づいていた。
私は連れに携帯でメールをうちはじめた。
コスプレをして遅れているというのは恥ずかしい。
別行動であいつは何してるんだ?ってことになる。
何て言おうか。
「チキンを食べているので遅れています」
よし!これだ。
いつの間にか私は片手にクリスマスのチキンを持っていた。
今は携帯に添付書類として物質をつけられる時代だった。
大きさ400kbきっちりなら、正常に分解され、
相手の携帯にそのまま届く、そんなすごい時代だった。
私は証拠のチキンをメールに添付しようと、
なんとか400kb分きっちりのチキンをちぎろうと苦心する。
微妙に400を越えたり、少なすぎたり。
手が油まみれになり、携帯画面も油で汚れはじめる。
それでもどうしてもチキンを送りたい!送らなきゃ!
イライラする、あぁ、イライラする。
…というジュニューム。