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9月。またひとつ年をとった。
前は誕生日が憂鬱だったけど、超越したのか全く気にならない。
多分この先、自分の年齢をうろ覚えのまま年をとってゆく気がする。
なんだかんだ言ってごく普通の人生を送って来たけど、
ほんのちょっとの勇気があれば180度違う人生になったと思う。
地味な性格なのに、私には派手なひらめきが多く降臨する。
せっかく舞い降りた身分不相応のひらめきを生かす勇気がない。
今までいくつのひらめきを無駄死にさせたことか!
後悔しているひらめきのひとつがコレ。
大学の頃、ライブの衣装を考えていた時のこと。
自分のバンドは一応、パンクバンドだった。
ボーカルの子は、古着屋でみつけた赤い着物を羽織って、
ちょっと娼婦っぽい感じにするらしい。
キーボード担当の私も、それに近い格好をするべきかどうか、
迷って迷って、千葉の古着屋で、千円の黒ミニスカを購入。
パンクにしては地味だと思ったので、裾にビーズを縫い付けてみた。
私にとってパンク表現はビーズが精一杯だった。
で、はいてみた。
うわー!ビーズはいいとして、チョーミニなんすけど!
普段、スカートも滅多にはかない私にしては大冒険ファッション。
なんとか、このチョーミニな感じをソフトにぼやかそうと思った。
「パンク」と「自分らしさ」との妥協点を探り、いろいろ試していた時…。
私はひらめいた。
重ね着、を。
手持ちのロングスカートの上にミニスカートをはいたが、
ごわごわしたのでボツ。
しかし、高校の頃(80年代)に流行したスパッツを下にはいたら、
ものすごーくオシャレに見えた。
80年代は肩パッドがはいっているジャケットで上をでっかくして、
下はシュッとスリムにスパッツをはくのが流行していた。
私も坂本龍一のライブを観に行く用に、スパッツを1本買ったことがあった。
八戸のヴィアノバというファッションビルで買ったものだった。
それを大学の下宿まで持ってきていた。
もう時代遅れだけど、スパッツの上にミニスカートはいて出たら
斬新だなー、と思い、何度も鏡の前でくるくるまわった。
なんで?それ普通じゃね?とお思いの若いお方達!
今なら、スカートの下にスパッツなんて当然だけど、
当時は
「それ、着替えの途中?」
と言われかねない大胆な装いだったのですよ。
スパッツといっても、ズボンに近い厚手のスパッツで、
現在の一般的なタイツ地のスパッツではなかった。
そして私には勇気がなかった…。
ここ!
ここですよ!
ここが人生のターニングポイント!
ここで思いきってスカートの下にスパッツはいてライブに出ていたら、
ひとかどの人間になっていたのではないか、と
今でも後悔している。
もうひとつ。後悔しているひらめき。
当初、セラニポージのビジュアル写真(アー写という)は
人ではなくて、アニメ顔とリアルを合体させた
架空の2人組ということにしたかった。
言葉で言ってもわからないので、私と妹とで、
試しに撮影してもらったこともある。
私の義父は実はプロカメラマンであり、
おかげでかっこいいアー写が撮れてしまった。
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でも「いやーいくらなんでもこれはわかりづらいでしょ。
既に有名なアーティストならともかく、何の意味があるの?
せっかくかわいいボーカリストを迎えてるのに。」と
笑いとばされて終わってしまった。
それ以上、ごり押しする勇気がなかった。
多分、権利の問題もあっただろうし…。
そして今、勇気あるレディガガや、
ウクライナの少女がやっているのだった。
自分の10年前のひらめきを、今、指をくわえてみています。
偽セラニポージの幻のアー写、写真館↓
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