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柿みたい。
食べたいですか?
お盆に実家に帰ると、毎年ホヤが流行っている。
昔、そんなにホヤを食べてたっけ?というぐらい、
父も母もホヤを食べている。
確かに、その日にとれたホヤを朝市で買ってきて、
キンキンに冷やし、さっくり切って食べると、
歯ごたえがこりこりして…。こりこりして…。
いやいやいや。
これは絶対飲み込めません。
私にはホヤが食べられません。
ぺッと、口から出すと、父と母が
「もったいなーい!お前にはあげない。」
と批難ゴーゴーの嵐だ。
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だって、
こんなだよ?
食べ物に見えますか?
「ホヤの味は大人にならないとわからないんだよ。」
と父が自慢気に言うので、
日々、酸化と重力の法則に抗い、
アンチエイジングに励んでいる
大人な私は、今年こそ食えるという自信があったのだが…。
ゴーヤを初めて食べた時のような衝撃的苦みに、
海洋生物のおしっこを間違って口にいれたような
酸っぱさ、生臭さなのだ。
ホヤが通り過ぎた後の口の中は、
自分の口じゃないみたいにショワーッとする。
口の中が異次元になる。違和感がある。
勇気のある人はぜひお試しを!
大学のOBに、私の顔を見ると
ホヤを食べる地域に住んでるんだよね?
あんなもの食べるなんて信じられないよ。
と、必ず言ってくる人がいて、
ホヤが全国的なものじゃない、ということを
その時初めて知ったのだが、
確かに、これを初めて食べようと思った人は
死ぬほど飢えていたか、
ものすごく勇気がある人には違いない。
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仙台駅キオスクで
ホヤを確認。
ホヤOK!の
最南端は
どこだろう?
母が、いつか私が大人になって、
ホヤを調理する日のために、さばき方を教えてくれた。
ホヤには二つ穴があって、+と−になっているのだそうだ。
+と−って、乾電池じゃないんだから、
また母が変な覚え方してる、と思ったら、
これが一般的な言い方らしく、
「ホヤ/プラス/マイナス」で検索したらたくさんヒットした。
少しだけ、母の株があがった。
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プラスがはいる穴
マイナスが出す穴
だそうです
(画像クリックで拡大)
グロテスクなホヤに、電気っぽい単語がくると、
本当にこの物体は宇宙からきたんじゃないか、と思えてくる。
+のほうを切り落とすと、なんやら液体が出てくる。
この液体は、ホヤの味つけに使う。
そして、−のほうから包丁をいれて皮をむく。
+に包丁をいれると、液体が飛び散るので要注意。
そして、味付けはさっき+から出てきた
得体の知れない液体に酢を足して。
皮をむいて
さばく
それにしても、大人ってのはまだまだ段階があるんだなぁ。
大人レベル1、レベル2ってあるんだろうな。
私が、ホヤが食べられる大人になるのは当分先のようだ。
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こうしてみると
おいしそうだけど
だけど…。