トモコシャン助けられる


トモコシャン、みてる?


父の葬式でしばらく実家に帰っていました。


親戚がたくさん来てすごいことになっていて、
その親戚たちがかしましいというか、
たくましいというか、
そのおかげで、非日常的な出来事も、
淡々と流れてゆくので、助けられました。
私は、1年に2泊3日で1〜2回しか帰らないので、
親戚に会いに行く時間なんて全くありません。
そのせいで、名前すら知らない人もいます。
一番驚いた再会は、親戚のお兄ちゃんでした。
子供の頃、私に「火の鳥」の漫画を全巻くれたお兄ちゃん。
若い頃に田舎を出て行方知れずになっていたので、
私も30年近く会っていませんでした。
そのお兄ちゃんがいかにも「ザ・親戚」って感じに貫禄がついて再登場!
学生服姿のお兄ちゃんしか記憶になかったので、かなりの衝撃でした。
数年前に田舎に戻ってきたんだそうです。
葬式では、今まで食べた事もないようなおいしいお団子や、
食べた事もないようなおいしい赤飯が出たのですが、
なんと!このお兄ちゃんが作った、とのこと。
ちゃんと商売にしているらしい。
これを知ったら食通たちがこぞって絶賛するはずです。
グルメ本の常連になること間違い無しです。
私も積極的に評判のいいものは食べているほうですが、
間違いなく、お兄ちゃん達の作ったものは逸品です!
誰か発見してくれないかな〜!
それから、葬式に重宝したのが、妹の娘、ゴロナ(仮名)。
私はほとんど、ゴロと遊んでいたといってもいいでしょう。
ゴロは、私のことがすごく気に入ったらしく
「トモコシャーン」といって追いかけてくるんです。
私の人生でこんなにモテたことは未だかつてありません。
出かけようとすると「トモコシャンどこいくの?」
ごはんの時は「トモコシャンと食べる!」
裸になると「トモコシャンにみせてくるー!」
寝る時は「明日またトモコシャンと遊んでいい?」
そして、私のまわりをグルグル走りまわります。
あまりグルグルまわられると、こっちの目がまわってくるので、
「バターになっちゃうよ。」と注意したのです。
それでますます喜んでしまい、
「バターになっちゃう?バターになったらどうなる?」と
さらにまわり続けるのでした。
最近、バター不足だから、
ゴロがバターになったらパンの材料にしちゃうよ。
と脅したのですが、全く効き目がなく、
「グルグルグルグル」と言いながらまわり続けていました。

念仏ばあさん


うちの葬式には、ちょっと不思議な儀式があります。
「念仏ばあさん」と呼ばれるおばあさん達が念仏を唱え、
お寺の庭を3回、お骨や位牌などを持って親族一同で、
行列を作ってねり歩くのです。
庭の真ん中に木が何本か立っていて、
ちょうどそのまわりをまわる感じです。
ショーアップのつもりなのかなんなのか、
紙吹雪をまく係のおじさんがいて、
時折、パラパラ〜と紙吹雪もふってきます。
その行進を、告別式にきたお客さんが拝みます。
私は遺影を持たされました。
ゴロは人に預けるとぐずるので、連れて歩いていたのですが、
途中で飽きたらしく「まだ?」と何度も聞いてきます。
まだなの、あともう1周まわるんだよ、と妹が言ったら
「あんまりグルグルすると、みんなバターになっちゃうよぉ〜」
ここでみんな吹き出してしまって、
悲しい行列なのに、楽しい行列になってました。
見ている人たちは、不謹慎だと思っただろうなー。
この一週間。
親戚と子供に大いに助けられたのは間違いない!
もっと大事にしなくちゃね。